私のご主人様

「…ん」

「こと?…っ!?ちょ」

あったかい…。もぞもぞ動いて目の前にあるぬくもりにくっつく。

ふぇ、まだ夢?お母さんどこ…?

「こと?…おーい、ことさんよ」

「んー」

「寝ぼけてんのか?まだ寝てんてのか?」

お母さんこんな声低かったっけぇ…。んー。重い…。

「………ん?」

あれ?成夜だ。…夢じゃなかった。なんだ、起きちゃったんだ…。

「何不満そうな顔してんだよ」

「成夜じゃなくてお母さんがいい」

「あ?抱きついてるくせに何言ってんだよ」

「夢、覚めなきゃよかった」

お母さんの夢、久しぶりに見れたのに。がっかりだ。

寝転がったままでいると、突然思いっきり抱き締められて成夜の胸に顔が押し付けられた。

「っん゛!?んんー!!」

なにするんだ~!鼻がつぶれるっ!ぐるぢい!!

でたらめに腕やら足を動かして、成夜を退けようと暴れるけど全然効かない。

本当に窒息する~!!!
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