私のご主人様

「俺がいるだろ」

「んん!?」

今何言った?それどころじゃないっ!とにかく離してー!!

しばらくして、やっと解放される。もちろん咳き込みました。本当に窒息するかと思った…。

「琴葉」

「っげほ!な、なに?」

成夜が琴葉って呼ぶなんて珍しい。顔をあげると、何でか怖い顔をしてる。

思わず言葉を止めて、じっと成夜を見上げた。

「お前、毎週来い」

「…無理だよ。仕事あるし」

「琴葉!」

大きな声に、体がビクッとなる。…いきなり何?なんで怒ってるの?

成夜が分からないなんて、本当に久々で、どうしたらいいか分からない。

「…お前が来ないなら泊まりに行くぞ」

「帰ってくるの10時過ぎるからやだよ。それに、なんでいきなり」

「…お前が自己管理出来てねぇから」

「は?…成夜に言われたくない!!」

この生活習慣めちゃくちゃな人にそれだけは言われたくないっ!!

顔を背けて、くるんと寝返りをして背中を向ける。

この心配性め!無視してやる!
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