私のご主人様
はぁ、疲れる…。
さっき行ったばかりのキッチンに戻って、コーヒーの支度をしてまた戻る。
メイドさんたちからの憐れみの視線は強くなるばかりでした。
「琴葉」
「おはようございます、お坊っちゃま」
ビックリした。出さなかったけど。
お坊っちゃまは歩み寄ってくると、私の押すワゴンに眉を潜められた。
「客か?」
「はい。何かありましたか?」
「いや。…客が帰ったら部屋に来てくれ」
「え?…なぜでしょうか」
「いいから。頼んだぞ」
「え?お坊っちゃま!?」
すぐに立ち去っていくお坊っちゃま。
うそー。これ行かないといけないやつじゃん…。
私いつお昼食べれるの?今日はご飯なし!?そんなぁ…。
がっくりと肩を落としながらも、奥様の部屋に急いだ。