私のご主人様
奥様のかんしゃくは続いて、拗ねて仮眠をとられるまで続いた。
あれ、もう3時かぁ。…お腹減った。あ、ゼリー持ってきてたんだ。あれ食べよー。
使用人の更衣室に戻って、ロッカーから持ってきたゼリーとおまけにチョコを取り出す。お行儀が悪いですが、その場に座り込んで、いただきまーす。
「…なにやってるだろ、私」
何でこんなことしてるんだろ。なんで、こんな辛い思いしなきゃいけないんだろ。
…分からない。なら、私が続ける意味はないんじゃん。なら、やめてもいいのかな。
気持ち悪い。ここのとこずっとだ。頭痛いのも、だるいのもずっと続いてる。
「…はぁ」
ため息をこぼすと、一瞬だけ体が軽くなる。だから、その快楽を求めて何度もため息をつく。
お腹すいてたはずなのに、一口つけただけのゼリーも、開けていないチョコもロッカーのかばんの中にしまう。
でも、また座り込んで膝を抱えてうずくまってしまう。
動きたくない。もう、働きたくないな…。
…そういえば、お坊っちゃまに呼ばれてるんだっけ…。…行かなきゃ。
無理矢理膝に手をついて立ち上がる。更衣室を出ようとして、1回壁に激突した。
痛い…。
ふらふらしたまま更衣室を出て、お坊っちゃまの部屋を目指す。
ラッキーと言うかなんと言うか、誰にもすれ違うことなくお坊っちゃまのお部屋まで来れた。