私のご主人様

「買い物行くか」

今帰ってきたばっかりだけどまぁいいかな…。

かばんを取りに部屋に戻って、リビングに戻ってくると、お父さんは電話してた。

「はい、え、今からですか。いえ、はい、大丈夫です。はい、では…」

「仕事?」

「あぁ…。琴葉、1人で大丈夫か?すぐ戻ってくるから一緒に行くか?」

「大丈夫!いつも1人で行ってるもん!」

「はは、それもそうだな。気を付けるんだよ」

お金をもらって、かばんを持って準備万端!

「いってきまーす!」

「あ、ケーキ、お父さんのはモンブランな」

「はーい!」

お父さんに手を振って、家を出る。

ケーキ食べるの久しぶりだな~。こんな時間に買いに行けるのが珍しいけど…。

春の風が流れていく。その風に背を押されるように駆け出した。
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