私のご主人様

えーと、ひき肉と、ニンジンはあって、玉ねぎ…。あ、パン粉も買わなきゃ。

汁ものどうしようかなぁ。

買うものを頭の中で整理しながら歩く。あ、パンがない気がする。

もって帰ってこれるかな…。

ちょっと不安。お父さん待ってれば良かったかなぁ…。

スーパーを目指しててくてく歩いていると、不意に黒塗りの高級車が数歩先に止まる。

運転手が出てきて、後部座席に回るとそのドアを開ける。

うわぁ、陣之内家みたいな人もこんなとこに来るんですね~。

でもまぁ私には関係ない。高級車の横を通りすぎて、スーパーを目指す。

「琴葉」

「え?っ!!」

振り返ると、そこにいたのはお坊っちゃまで、直後首に強い衝撃を受ける。

抗おうとする頭とは裏腹に、意識は遠ざかっていく。

どうして…。お父さん、助けて…。

お坊っちゃまの笑みを見たのを最後、意識は途絶えた。
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