私のご主人様
2.暗闇の底
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「…っい」
あれ、ここは…。目の前に広がるのは、見たことがある部屋。
そこがお坊っちゃまの部屋であることに気がつくと、自分でも驚くほど一瞬で起き上がった。
どうしてまたここに!?そうだ、スーパーに行こうとして、お坊っちゃまに何かされて…。
とにかく、逃げなきゃ。帰らなきゃっ!!
ベッドから起き上がろうとすると、腕を捕まれてベッドに押し倒される。
「どこに行くつもり?」
「っ…離して!」
「琴葉、やめるなんて許さない」
「誰かっ!助けて!!」
嫌だっ!お坊っちゃまのおもちゃになんかなりたくないっ!!
手足を押さえつけられているせいで動けない。思いっきり声を張り上げて叫んでも、お坊っちゃまは焦った様子なんか全く見せない。
どうして?何で誰も来てくれないの!?
「無駄だよ、琴葉」
「誰かっ!助けて!!!」
「無駄だって。誰もいないんだから、助けが来るわけないでしょ?」
「っへ…?」
誰もいない?…そんなわけないっ!陣之内家には30人以上の使用人がいる。
それに、朝来たときは確かにいたのに…!
一体どうして…。