私のご主人様

その背を見送って、私も席につく。

すると、ふわちゃんが私を見てうっとりしていました。…私を見て?

「ふわちゃん?」

「ことちゃん、私のメイドさんになってぇ…」

「何をおっしゃってるですか。花咲家のご息女とあろう方が」

「あーんっそんな風に呼ばないでぇ」

泣きついてくるふわちゃんの空いたお口に卵焼きをぽんっと入れる。

すると、泣きべそが一転。背後にお花が見えるほどの幸せオーラをまとわせてしまいました。

やっぱりふわちゃんはかわいいですね。

頭をナデナデすると、すりすりすり寄ってきてくれる。…犬?

おっと、失礼なことを。失敬、失敬。

「はぁ、陣之内さんが羨ましい…」

「ふわちゃん、普通逆です」

思わず突っ込んでしまいました。
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