私のご主人様
「逃がさないぜ。お嬢ちゃん」
「っ!?な…」
誰?
ドアの外には知らない男が2人もいて、行く手を阻むように立ちふさがった。
咄嗟に横をすり抜けようとしたけど、腕を捕まれてあっという間に拘束される。
「離して!!」
「おお、これは上玉だ。1000万で買い取らせていただきやしょう」
「なに言って!?っ…」
なにかが突き刺さったような気がした。それは気のせいなんかじゃなくて、首に見たこともないような太い注射器が突き刺さっている。
その中身が全部入れられた途端、体の自由は効かなくなって、膝をつく私を男は軽々と持ち上げてしまう。
「ッチ…」
「おいおい、お坊ちゃん、お前が言ったんだぜ?この女が1人で部屋から出たら、買い取れってよ」
部屋の中に連れ戻され、床に捨てられるように落とされる。
なのに、指1本すら動かすこともできない。意識ははっきりしているのに、金縛りにあっているかのように体はピクリとも動いてくれない。
お坊っちゃまは、ベッドから起き上がると、男が差し出した書類を奪うように取り、なにかを書いている。
何が起こってるの?この人たちはなに。買い取るってなんのこと!?