私のご主人様

…そうだ、お坊っちゃまに拐われて、逃げようとしたら知らない男が2人いたんだ。

そしたら、買い取るとか、売るとか意味の分からない話をしてて…。

…私、本当に売られた…?嘘、そんなわけ…。

「あ…やだ…やだ…」

「へぇ、いい声してんじゃねぇの。明日のオークションでも頼むぜ?」

「こんな上物、一体いくらになるんだか。処女なんだろ?」

「あー。いや、売り手の坊っちゃんが手出した。でも、クスリ飲ませたらしいからほとんど記憶にねぇはずだ」

「へぇ、そりゃいい、金さえあれば俺がほしいくらいだよ」

「っは、お前程度じゃムリムリ。つうか、てめぇなんかに売ってやんねぇよ」

「冗談だよ。なぁ、どうやって仕入れたんだよ。教えろよ」

「やだね。貴重な仕入れ先を潰すわけねぇだろ?」

なんの話をしてるの…?人を売るのを、まるでおもちゃみたいに…。

私、どうなるの?オークションってなに?人身売買のオークションってこと?

そんなの、聞いたことない。来る人たちは一体どんな人なの。お父さんにもう会えないの?

嫌だ、怖い…。助けて、助けてよ!!
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