私のご主人様

「っあ、こら!!噛むんじゃねぇ!!」

「っんぐ!?っんー!!」

口の中に男の指が入ってくる。抵抗しようにも手足は拘束さた上、寝返りすらままならない檻の中ではどうすることもできない。

「ッチ、やっぱ取るんじゃなかった」

「おいっこれつめとけ!」

「っあ゛…うぐっ」

指が消えた直後、布の塊のようなものが押し込められる。吐き出そうとしてもその上から更に布で縛られてしまう。

あっという間に口は縛られてしまった。

男たちは一仕事終えたと言わんばかりに息をついて、私を見る。

「傷なんかつけたら価値が下がっちまう」

「おい、明日どうする。縛るか?」

「いやダメだ。声出させれば値は上がる。そんなもったいないことできるか」

「薬打っとけよ。どうせのちのち盛られるだろ」

「だから価値下げることはしねぇ。まぁ、泣かせりゃあいいだけの話だ」

男たちは、そんな話をして、まとまったのかまた私を見る。

その目は品定めするバイヤーそのもので、人身売買という言葉がやけに色濃く感じられる。
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