私のご主人様
「最低でも2000万…いや、3000万はつくか」
「うっひょーったまんねぇな。出回ってる商品なんかと比べらんねぇ」
「当たり前だ!新製品すら珍しいんだぞ。女子高生で、風呂屋の店員上がりでもねぇなんざ滅多に出ねぇ商品だ。買い手はゴロゴロいる」
男はニヤリと笑う。欲に溢れてたおぞましい笑みに、身体中に悪寒が駆け巡った。
「明日は頼むぜ?コトハチャンよ」
「ぎゃははっ!」
下品な笑い声と共にどこかへ行ってしまう男たち。
取り残された私は、起き上がることもできずにただそこで横になっていることしかできない。
「っいやぁぁあ!!出して!出してよう!!」
「うるせぇ!黙ってろ!!」
「っ!?」
なに…これは、本当に現実なの…?
さっきまで気づかなかった周りの景色が、目に飛び込んでくる。
薄暗い箱のような部屋に、たくさんの檻がある。その中に、女の人や男の人たちが入れられている。
それだけじゃない。檻に入っていなくても、枷に繋がれた人たちがそこら辺で倒れていたり、うずくまっている。
泣き叫ぶ人は檻の中にいる。そんな人に怒鳴り声をあげる男や女がいる。
でも、檻の中にいるほとんどの人は諦めたように寝ているか、うずくまっている人が多い。
そして、檻に入れられていない人たちはみんな、瞳が濁りきって絶望しか写していないかのように呆然と目を開いている。