私のご主人様
…これが、現実?本当に、私は…。
…怖い。どうして、こんなことに…。
こんなことになるなら、お父さんを待っていれば良かった。
こんなことになるなら、あの時、お坊っちゃまに抵抗しなければ良かった。
こんなことになるなら、いっそのこと、生まれてこなきゃ良かった…。
「出して!お金なら、ちゃんと払うから!どんな客でもいいから!!」
「うるせぇっていってんだろ!!」
「あー。あー…」
「神様、助けて、神様…」
「次のご主人で最後、次のご主人で最後…」
「…ひっあ…あぁ…」
「うらやましいぜ。あんな上玉」
「本当にな。犯すか」
「やめとけ。殺させるぞ」
「じょーだんだよ。じょーだん」
「死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない…」
「ご主人様…ご、しゅじんさ、ま…」
頭がおかしくなる。
声が響いて、頭に直接響くみたいだ。
気持ち悪い、嫌だ。帰りたい。お父さん、成夜…。
視界が揺れる。声はずっと頭の中に響いていた。