クリスマスイブの贈り物
*
俺と千川愛奈の出会いは、ナンパだ。
たまの休み、街をぶらぶらと歩いてたら、前方に紙袋をいっぱい抱えた女がよたよた歩いているのをみつけた。
夏だったから、体のラインが綺麗に見える洋服を着ていて、長い髪を結い上げたうなじがとても魅力的で。
まあ早い話、スタイルにつられて声をかけたんだ。
「彼女、ひとり? 荷物もったげよーか」
「は?」
振り向かれて驚いたね。
大荷物を持ちながらボロボロ涙を流している女なんて初めて見たもん。
「は? どうしたんだよ」
「何でもないわっ」
細いピンヒールをグラグラ揺らしながら、頑張ったであろう化粧は見事なほどにはげ落ちて。
悪いけど笑っちまうほど不細工で、実際に笑っちまった。
「失礼ね。自分から声かけておいて」
「だって、その顔。何でもなかねーだろ」
彼女は俺に怪訝なまなざしを向けたけど、昼間だったってこともあって素直に誘いには乗ってきた。
とにかく喫茶店でも入ろうってことになって、窓際の席に向かい合わせに座る。
「ちょっと失礼」と言って化粧直しをしてきた彼女が、すげー美人になっていて、本当に同一人物なのかと驚いた。
女って怖いよな。化粧でこれだけ化けるんだから。
俺と千川愛奈の出会いは、ナンパだ。
たまの休み、街をぶらぶらと歩いてたら、前方に紙袋をいっぱい抱えた女がよたよた歩いているのをみつけた。
夏だったから、体のラインが綺麗に見える洋服を着ていて、長い髪を結い上げたうなじがとても魅力的で。
まあ早い話、スタイルにつられて声をかけたんだ。
「彼女、ひとり? 荷物もったげよーか」
「は?」
振り向かれて驚いたね。
大荷物を持ちながらボロボロ涙を流している女なんて初めて見たもん。
「は? どうしたんだよ」
「何でもないわっ」
細いピンヒールをグラグラ揺らしながら、頑張ったであろう化粧は見事なほどにはげ落ちて。
悪いけど笑っちまうほど不細工で、実際に笑っちまった。
「失礼ね。自分から声かけておいて」
「だって、その顔。何でもなかねーだろ」
彼女は俺に怪訝なまなざしを向けたけど、昼間だったってこともあって素直に誘いには乗ってきた。
とにかく喫茶店でも入ろうってことになって、窓際の席に向かい合わせに座る。
「ちょっと失礼」と言って化粧直しをしてきた彼女が、すげー美人になっていて、本当に同一人物なのかと驚いた。
女って怖いよな。化粧でこれだけ化けるんだから。