人生ゲーム
「帰ってしまうのですか?」
 
男のメガネ越しに見える眼光は鋭かった。
 
「えぇ…命を賭けるなんて。とてもじゃないけど無理ですよ」

弱弱しく答える孝也の両肩を男は揺さぶった。
 
「それでいいんですか!」
 
「そう言われましても…」
 
「少し僕の話を聞いてもらえませんか?」
 
「はあ…」

二人は近くの壁にもたれた。
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