人生ゲーム
この部屋は階段のすぐ傍。

美咲は耳を澄ませた。

その音は知絵のハイヒールに違いない。

まだかすかにしか聞こえないので距離はある感じがするが、それでも鍵が見つかっていないこの状況は美咲の焦りを増幅させた。

「早く見つけなくちゃ」

部屋を隈なく探すが、ない、ない。ない。

「もーいや!」

美咲は傍にあった人形を壁に投げつけた。

そのとき、空を舞う人形のポケットから白い物体が見えた。


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