人生ゲーム
どこからか風が吹いているのか、ひんやりとした冷たさが孝也の頬を撫でた。

もともと静かだったこの場がさらに静寂化する。

「ちなみにここは地上の一分が二十四時間に相当します。そしてこのゲームのタイムリミットは丸一日。残り時間は壁にかかっているデジタル時計を見て下さい」

「もし誰かを生贄にするとして…どうすればいいんじゃ?」

年配の男が尋ねた。

孝也はこのような老人が参加していることに驚いた。

まだ足腰は強そうだが、どう見ても六十代後半から七十代前半といったところだ。
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