先生、教えてください。
慣れた道を辿っていくと、前のほうに人だかりが見える。
「どうかしましたか」
声をかけてみると、
「あそこのおばあさんが急にしゃがみこんじゃって!」
急いでおばあさんのところへ駆けつける。

「おばあさん、どこか痛みますか?」
「目眩が・・・頭痛も。」
汗が多い。熱中症かも。
「すみません、誰か救急車を。おばあさん、今朝はお水を飲みましたか?」
「さぁ・・・」
カバンの中からスポーツ飲料を出す。

「アルコールは摂取されていませんね?」
「飲んでないわ・・・」
「では、とりあえずこれを飲んでください。熱中症の可能性があります。」
今日は気温も暖かいし、夏場でなければおばあさんも水を飲み忘れているかも知れない。

「ありがとう。」
「いえ。それより木陰に移りましょう。私が運びます。」
コンクリートの上はまずい。
「でも・・・」
「大丈夫です。力はありますし、運べますよ。」
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