summer season
バスの発車のアナウンスが流れてきた。
君の分の切符が
僕の右手に残っている。
急いで君の家に電話をかけてみると
小さな声で僕の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
目の前が真っ暗になる。
でも、たぶん、
もう君の元へ戻ることはできない。
僕はバスのステップに足をのせ、
新たな未来への時間が動きだした。
2人で歩いた橋のたもとに、
バスが近づいて、
僕の思い出がとまってしまったかのよう。
バスの窓を開けた。
大好きな君の名前を叫んだ。
胸のうちにしまわれていた、
“想い”が音を立てた。
少し涙で滲んだ目で
遠ざかる街を見つめたんだ。