ひとつの輝き

「えっ…」

あたしは思わず声を漏らした。 

だけど、里佳さんは笑い話のように話してくる。 

これって笑う話じゃないよね? 


どうして笑えるの? 


「その後、大変だったんだよ。ガッシャーンって鳴った後、一番に駆け寄ってきたのは渉だった。すっごい顔してさ諒子に怒鳴りつけて、その後に来た龍斗が、あたしの首から落ちる血を見て、また諒子に激怒!女に怒るキレかたじゃないだろーってぐらい凄かった」 


あたしはそのまま里佳さんから目線を下にさげた。


「そのあと病院行ってさー手当てすんで落ち着いて病院を出たら、これまた大変!龍斗が渉を殴ってんだよ」 


里佳さんは、ほんっとスピード話のように笑って話していった。 

あたしにはついていけなく耳を澄ませて聞くしかなかった。 



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