ひとつの輝き
「でっ、あたしは龍斗に激怒だよ!渉、龍斗には手出さなかったんだよ…普通はさ渉がーって怒るんだけど、渉を殴ってる龍斗見て、そっちにカッチーンだよ!もう、あたしもどっちの彼女なんだか、わかんないっつー話だよ」
「そうなんだ…」
「でもさ、その後、何度も何度も渉、謝ってきてさーもうしつこい!ってぐらいに謝ってくるから、傷の痛みなんて忘れて笑うしかなかったよ。でもこれは、あたしが誘ってできた傷だから全然いいんだ…まぁ、その後2人とも仲良くやってたけど」
笑っていた里佳さんは一気に自然な顔つきに戻し口を開いた。
「でも…またあの女でてきたんだ…渉さ美央ちゃんの事、傷つけたくないんだよ」