ひとつの輝き

「おいっ!待てよ」

その男は勢いよく、あたしの腕を掴み、顔を覗き込んできた。 

「何か?」

「あーやっぱ、この子この子。新庄の女」 


…新庄の女? 

渉?ってか何、この人達…

その男は笑みを漏らし後ろを振り向いて声をだした。


「おーい。小沢、この子」 

何が?小沢って誰? 

この子って何? 

わかんない… 



その男が声を掛けてすぐ、少し離れた所から別の男が姿を現した。 

どうみてもガラが悪い。 

その男は、あたしの前に現れ下から上までジックリと見てきた。 

「へー…思ったよりは、すげー美人じゃん」 

「あの何か?」 

「あーあんた新庄の女?」 

「違います」

「けど、あいつらが一緒に居る所、見たっつってんだよね」 

小沢と言う男は後ろに居る3人に指差した。 


< 109 / 223 >

この作品をシェア

pagetop