ひとつの輝き

男は首を傾げて後ろを振り向き「この女だよな?」と3人に尋ねた。 


「ぜってーその女」

「俺が見間違えるわけねーよ」  


その言葉が返ってきてすぐ「やっぱ新庄の女じゃん」と笑みを溢した。 

「だから、あたしは彼女じゃないってば!それにあんたが言ってる話はいつの話しですか?」

違うと言ってるのに、引き下がらないこの男はあまりにも、あたしをイライラさせる。 


「ん〜1年前の話かな」

「は?そんな昔の話、今更持ち出してくんじゃねーよ」 

本当にそう思った。 


「そんな怒んなって。やっぱ借りはかえさねーと…彼女じゃなくても、あんたでいいや」

あまりにも意味がわからない言葉に、あたしは眉を寄せた。 

そもそも借りと言う言葉を、こんな事に使う事すら間違っている。 



< 111 / 223 >

この作品をシェア

pagetop