ひとつの輝き

「何がいいの?」

「だから、彼女じゃなくても新庄と一緒に居るんだろ?だったらあんたでもいいって言ってんの」 

「言ってる意味が分かんない」 

「あんたさ、何回も言わせんなよ!新庄が俺の女に手だしたから、あんた誘ってんだよ」 


その意味がわかんないっつーの。 


「渉が、あんたの女と寝たのは知らないけど、それは渉が悪いの?」 


その男は眉を寄せ「あたりめーじゃん」と声を漏らした。 


あたしは、その男にビクッとしたが、深く深く息を吐き口を開いた。 


「あんたの女も悪いじゃん。女が断ればいい事じゃん…ノコノコと着いて行ってるから悪いんだよ」


そうあたしが吐き捨てると、その男は空を見上げて「あー…」と声を漏らし鋭い目付きで見下ろしてきた。 



< 112 / 223 >

この作品をシェア

pagetop