ひとつの輝き
「だけどさ、あたしがもしここに居ても龍斗を止めてるよ?止めたら龍斗は手ださないと思う。今みたいに…もしそれが渉だとしても、あたし達に止められたらやり返さないよ。わかる?」
里佳さんは必死で言うものの、あたしには分からず口から出てくる言葉は一つしかなかった。
「でも…あたしのせいで」
呟いてすぐ龍斗先輩は「まずっ」と何回も口の中の血を吐いていた。
それを見ながら里佳さんは顔をしかめ、すぐにあたしに目線を切り替えた。
「美央ちゃんのせいじゃないって。いつまでも自分を責めてちゃダメだよ」
里佳さんの言葉を遮るように龍斗先輩は「なぁ、俺の顔すごくね?」と自分の顔に指差した。