ひとつの輝き
さすがに今日は上に着くまでに長く感じる。
部屋に入り、龍斗先輩と里佳さんを洗面所に案内し、あたしはソファーに腰を下ろし軽く息を吐いた。
「うわっ俺マジすげー顔」
「いつも凄いから大丈夫だよ」
「あ?いつもって何?つーか久しぶりにいてー」
2人の笑い声とともに、あたしの気は少し緩みホッとした気分になった。
あっ…
救急箱。つーか、そんなんあったっけ?
あたしは隣の部屋に行きクローゼットの奥の方を覗き込んだ。
とりあえず使わない物は全てクローゼットの中に入れるから、確かこの中にあるはず…
奥の方から茶色の小さい箱が見つかり、あたしははフタを開けて中身を確認した。