ひとつの輝き
あたしの目から一粒の涙が頬をつたって落ちた…
こんな避けられる事が苦しいのなら、その女にやられたほうがマシと思った。
噂されるほうが全然マシとも思った。
「ごめんな。けど、やっぱお前を避ける事はできねーよ」
渉はあたしの体を引き寄せ、そっと抱き締めた。
そして渉の低い声が静かな部屋に響いた。
「美央…俺の物になれよ」
あたしは無意識のうちに渉の背中に手を回していた。
「あたしも好きだよ」
渉はうっすら笑い、さっきよりもきつく抱き締めてくれた。
渉の手の体温で、あたしの体が全て溶けそうになるぐらい優しく抱き締めてくれた。
そして渉の唇があたしの唇と重なり合った。
一度、唇を離し、またお互いの唇を何度も合わせた。