ひとつの輝き
唇を離してすぐ、あたしは渉を見て口を開いた。
「ねぇ、今日帰るの?」
渉は一瞬、一時停止をしたかのように止まり目を見開いた。
「おいっ!お前、急にそーゆー事、言うんじゃねーよ!今、大事な所じゃね?」
「あっ…気になったから」
渉はフッと笑いタバコを取り出し口に加えた。
持っているZippoで火を点け「帰るよ」と煙を吐いた。
「えっ?帰るの?」
明日、学校か…
時計を見ると12時を過ぎていた。
「何?まだ居てほしーの?」
帰ってほしくない…だけども、まだ一緒に居たいとは言えないあたしは曖昧な答えを出した。
「あー…適当に寝てて。あたし風呂入る」
「はっ?」