ひとつの輝き
リビングに戻ってきた頃、渉はベッドの上で布団にくるまって寝ていた。
居てくれてたんだ…
良かった。
物音に気づいたのか渉は体を起こした。
「何してんの?入れば?」
ベッドの布団を捲ってポンポンと叩いた。
「あー…う、うん」
「なんだ、その微妙な返事…つーか、これお前のベッドじゃん」
「…だね」
そんな事わかってるよ。
心臓の音がドキドキするぐらい自分でもわかる。
「だねって何それ?」
あたしは首を横に振りベッドに寝転び渉に背を向けた。
「ねぇ…殴られてたのによく抜けられたね」
「後で龍が来てくれた」
「そっか…喧嘩もうしないでよ」
「あぁ」
「傷、まだ痛む?」
「平気」
「さっきから、そればっかだね」