ひとつの輝き
あたしは屋上に行きベンチに寝転がっている渉を目にした。
「ちょ、渉」
あたしの声に反応し、渉は目を開けた。
「あ?どした?」
「あのさ、ずっとずっと言おうと思ってたんだけど、その怖い雰囲気だすの止めてくんない?」
渉は体を起こし首を傾げた。
「は?何それ…」
「あのさ知ってんの?あたしが呼ばれてる名前」
「何?」
渉は目を胸ポケットに向けそこからタバコを取り出し口にくわえた。
「あたし“怖い先輩の彼女”って呼ばれてるんだよ」
渉はタバコに火を点け笑いながら煙を吐いた。
「えっ?お前そんな事、言われてんの?」