ひとつの輝き
「美央がー里佳の事、派手派手ねーちゃんって言ってた」
渉は声を出しながら笑った。
「ちょ、あたし言ってないじゃん、渉でしょ」
渉とあたしを見た里佳さんは頬を膨らませた。
そんな顔を見た龍斗先輩は里佳さんの頬をポンっと叩き「派手派手ねーちゃん」と笑った。
そう言う龍斗先輩も派手だけど…
「別にいーよーだ」
里佳さんはすねた口調でベンチに腰を下ろした。
「いい年してスネてんじゃねーよ」
「は?龍斗は黙ってろって」
そんな2人を目にした渉は「じゃあな。派手派手カップル」と言って、あたしの手を引いた。
「何処いくの?」
里佳さんの声にあたしは首を傾げ軽く手を振った。