ひとつの輝き

渉が連れて来た場所は、あたしのマンションから少し歩いた所にある河原だった。 

渉は腰を下ろし大の字になって寝転んだ。 

その隣にあたしは腰を下ろした。 


草木が気持ちよさそうにソヨソヨと風に揺られている。 

ゆっくり動く雲も、この街並みを見ながら散歩しているみたいだ。 



「なぁ…お前、鞄ジャマじゃね?」 

は?鞄? 

「そーいや何で渉はいつも手ぶらなの?」

「中身、入ってねーから」 

「何それ…」 


あっ…そうだ。 


「ねぇ渉?」

「ん?」 

「どうして、あの時、助けてくれたの?」


今まで気になっていた事を聞いてみた。 


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