ひとつの輝き

その日から、あたしは数日間、頭の中が白紙状態で、ただベッドにこもるだけだった。 


補習も何とか終わらし夏休みと言う期間は何もする事なくただ1日部屋でボーっと過ごす日々が続いた。


携帯電話の音さえ耳に入らず、気づいた時には着信履歴は渉で埋めつくされていた。 


ところどころ里佳さんの名前もあるが渉のほうがいっぱいだった。 


ソファーに座り頭を抱えた。 

しばらくしてチャイムの音がなり、あたしはモニターを見た。 



「…はい」

「俺」 


あたしはオートロックを解除し、いつものように玄関の鍵も開けた。 


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