ひとつの輝き

普段のあたしじゃないって事ぐらい、ここ何日かは自分でも分かる。 


渉は“いい加減にしろ”と言う態度でタバコを手にした。 


タバコを口にくわえて煙を吐き… 

それが何度か続きタバコを灰皿に打ち付けて灰を落とす。 


何度か繰り返されて、あたしはそれをジッと見るだけで、そのタバコが短くなるまで渉は口を開こうともしなかった。 


あたしもそれと同じ、口を開かなかった。 


あたしは目の前に居られなくなり洗面所へ向かった… 


どうしよう… 

話す事すら思い浮かばない。 

何分か立ってからリビングに戻ると渉はタバコを灰皿に押しつけていた。 



「帰る」 


えっ… 

そう思われても仕方ないと思った自分が悔しい。

渉はその一言だけ残してマンションを出た。 



そんな気まづいままで8月は一気に過ぎていった…



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