ひとつの輝き
あたしは恐る恐る口を開いた。
「何?」
しばらくの間、沈黙が続き渉は持っていたタバコを地面に落とし踏みつけた。
渉は深く息を吐いた。
「別れよ」
静かな空間にポツンとおかれた言葉は耳を疑うような言葉だった。
今…なんて?
「えっ?渉、何言ってんの?」
「聞こえなかった?別れよって言ったんだけど」
あたしは渉の腕を掴んで渉の顔を見上げた。
「待ってよ、何で急にそんな事になんの?おかしーじゃん」
…なんでよ?
今にも出そうな涙をあたしは必死に止めた。
「お前さ、何か隠してね?」
その言葉で、あたしの体はピタっと止まった。