ひとつの輝き

「あのさ人間って一人で生きていく生き物だけど…一人じゃ生きていけないんだよ。だからさ、大切な誰かを見つける為に生きていくんだって…ってかこれ龍斗が言ったんだよ。あいつ顔に似合わず臭いこと言うよね」 


誰か見つける為にか…


「あたしが渉に言ってなかったから…」 


そこまで言うと、また新しい涙が落ちてきた。 


「大丈夫だよ。きっと渉はイラっとしただけで言ったと思うし」 

「でも…」

「大丈夫だって、渉も龍斗もすーぐ怒りくるっちゃうから…でも根はいい奴なんだよ?」 


それは知ってる。 

だけど今度ばかりは大丈夫じゃないと思う。 


< 170 / 223 >

この作品をシェア

pagetop