ひとつの輝き
「なぁ、里佳…写メ見せるんじゃねーの?」
そう言って龍斗先輩はソファーに座った。
写メってなんだろ…
「あっそうそう…美央ちゃん今日さー虹見た?」
「虹?」
「あーやっぱ見てないんだ」
里佳さんは「この時期に虹って珍しいんだけどさー」と言いながらポケットから携帯を取り出し、あたしに画面を見せてきた。
それは凄く綺麗に架け橋みたいになっている虹だった。
「綺麗」
あたしが呟くと里佳さんは画面を人差し指でポンポンと叩いた。
「何か気づく事ある?」
「えっ?」
里佳さんはあたしを見て「ほらここ」と指差した。
「あっ…」