ひとつの輝き
「何か買ってくるね」
そっか…
何も入ってなかったな。
「あっ、あたし行きます」
「いいよ、いいよ美央ちゃんはここに居て」
里佳さんは「じゃあ」と手を振りながら部屋を出た。
「いいの?里佳さん一人で?」
目の前に座っている龍斗先輩を見た。
「いいって、いいって」
龍斗先輩はズボンのポケットからタバコを取り出した。
「吸ってい?」
あたしは軽く頷き、龍斗先輩はタバコをくわえて火を点けた。
「美央ちゃんさーこれわかる?」
龍斗先輩は自分の吐いた煙を指差した。