ひとつの輝き
「へー…渉、お前知り合いだったの?」
いや…知り合いじゃないし…。
全然、知らなかったし…
ってか、この人…わたるって言うんだ。
チャイムが鳴り響いてすぐ、あたしは軽く礼をしドアノブを握った。
「なぁ?名前、何て言うの?」
あれ?
あたしの名前、知らないんだ…
そっか…噂飛びまくってるのって1年の間だけか。
でも…
名前は知ってても顔は知んないって奴かも知れないし…。
名前、言ってまた噂飛ぶのも嫌だしな。