ひとつの輝き
「えっ何で?」
「だってお姉ちゃんシンデレラみたいだもん。桃もなりたいなぁー。お姉ちゃんみたいな人がガラスの靴を履くんだよ」
目の前でスカートの両端を摘んでクルクルと回る桃ちゃんこそシンデレラに見えた。
「それでねー桃もガラスの靴履いてねー落とした時に王子様が持ってきてくれるのー」
王子様か…。
「そっか…来てくれるといいね」
微笑むあたしに「うん」と大きな声が返ってきた。
そして桃ちゃんは、また元気よく走って滑り台に向かった。
亜由美さんは、あたしにニコッと微笑み桃ちゃんの後を着いて行った。