ひとつの輝き

「ちょ、ちょっと痛いって!どこ行くの?」 

「親んとこ」


はぁ?親? 


「えっ、ちょっと何で?」 


走っていた足を無理矢理止め、あたしは隼人に眉を寄せた。 


「どーにかなるって前、言っただろ?」 


え? 

あっ…そうだ。 

もう渉の事で頭、いっぱいになってて、それすら忘れていた。 


「えっ…でも何で?」

「あの時、どーにかしてほしいから俺の所に来たんじゃねーの?」 

「うん」

「だったら今すべき事をちゃんとしろよ…渉先輩、美央の事、待ってるぞ!いつまで待たせてんだよ」 


は?渉が? 

言ってる意味がよくわかんない。 

あたし、待たせてるの?


だって、あたしは渉に振られて… 


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