ひとつの輝き
あたしは理解ができなく窓から顔を出して隼人を見た。
何ごともないようにして手を振る隼人に、あたしは言葉をなくした。
行きたくないと思っていた所に、こんなふうにして行かされるとは思ってもみなかった。
今更、親と会ってどうする…
何があるの?
あたしを振り回すだけしか知らない親に…
何で会わないといけないの?
車が停止するまで、あたしの頭の中はそれしかなかった。
胸が痛むと言うより壊れそうだった。
「着きましたよ」
運転手から声が聞こえるものの、あたしの足は動かなかった。
「どうかしましたか?」
降りたくない…
降りてどうする。