ひとつの輝き
2
あたしは夜道を走った。
会いたい…
会いたい…
頭の中で繰り返される言葉は何回、言ったんだろう。
一軒家の前で、あたしは立ち止まった。
「あれ?美央ちゃん?」
前から聞こえてくる声に顔をあげた。
「あっ、お姉さん…」
玄関のドアを閉めて驚いた表情をし「どーしたの?」と、あたしの肩に触れてきた。
「あっ、あの渉いますか?」
「えっ…うん。部屋にいるけど」
「入っていいですか?」
「いいよ。あたし今から仕事だから」
お姉さんは微笑んで手を振り、横に止めてある車に乗り込んだ。
えっ?ってか、こんな遅くになんの仕事してんの?
そう思いながら、あたしは駆け足で渉の部屋へ行き、ドアをおもいっきり開けた。