ひとつの輝き

「ちょっ、置いて行くなって」 

あたしは小走りで追い掛けた。 

「美央がムカツク事、言うからだろ…つーか重いんだよ」 

「はぁ!?」 


あたしはムカッときて自転車の後ろのタイヤをおもいっきり蹴った。 

蹴ったと同時にガッシャーンと音が響き「いってー」と渉の叫び声が響いた。 

「てめー何やってんだよ」 

「渉が重いっつーからでしょ」  

「冗談だって」


呟いて起き上がる渉は「あーあ…」と声を漏らした。 

「何?」


渉は自転車の後ろのタイヤをジッと見て指差した。


「チェーン外れた」

「うそっ…」 


見てみるとチェーンが見事に外れていた。 

ちょっと、やりすぎた…


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