ひとつの輝き

「おいっ!龍も里佳も下りてこっちに来い」 

「あ?何で?」


龍斗先輩が呟いてすぐ、里佳さんは後ろから降りた。 


「龍も早く」 


渉が急かした声で言うと龍斗先輩はチャリから降り、あたし達の所まで来た。 


「ほら見ろよ」

と言って渉がチェーンに指差した。 


「うわぁー。チェーン外れてるじゃん」 

「これ乗れねーな」 


龍斗先輩と里佳さんがマジマジと見ている時に、ポンポンと渉はあたしの肩を叩いた。 


「何?」 


そう言うと渉は口に人差し指をあて、龍斗先輩が乗ってきた自転車に指差した。 


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