ひとつの輝き
「あたし白石里佳。でっ、こっちは葉山龍斗」
そう里佳先輩に言われると返さないといけない気がした。
「青山美央です…」
玄関の入口まで行くと渉先輩の後ろ姿が目に入った。
「渉」
龍斗先輩の呼び掛けに渉先輩が振り返り立ち上がった。
「あー来た来た」
あたしは靴に履き替え渉先輩の所まで行った。
何故あたしを呼ぶの?
今日、会ったばかりなのに…って前にも会ってんだっけ?
あたしは知らないけど。
ってか、怖いんだよね。
「あの…何か?」
あたしが小さな声を出すと渉先輩がうっすらと笑った。