ひとつの輝き

「あたし白石里佳。でっ、こっちは葉山龍斗」

そう里佳先輩に言われると返さないといけない気がした。 

「青山美央です…」 



玄関の入口まで行くと渉先輩の後ろ姿が目に入った。 

「渉」


龍斗先輩の呼び掛けに渉先輩が振り返り立ち上がった。 

「あー来た来た」


あたしは靴に履き替え渉先輩の所まで行った。 


何故あたしを呼ぶの?

今日、会ったばかりなのに…って前にも会ってんだっけ? 

あたしは知らないけど。

ってか、怖いんだよね。


「あの…何か?」


あたしが小さな声を出すと渉先輩がうっすらと笑った。 



< 27 / 223 >

この作品をシェア

pagetop