ひとつの輝き
あたしは勢いよく息を吐き「信じますか?」と尋ねた。
「信じるか信じないかは本人しだい。たかが噂。飛びまくってるのは有る事、無い事、人から人へと移る度にだんだんひどくなる…まっ俺は信じねーけど」
なんとなくホッとした自分がいた。
「って事は…先輩はあたしの事、知ってたんですよね?名前聞いてビックリしなかったんですか?」
淡々と話すあたしは何故か落ち着いていた。
「ん?つーか名前は知ってたけど、まさかお前が美央だとは知んなかったよ…ってか俺と同じ学校にいる事にビックリした」
そう言って渉先輩はあたしの方を向いて笑った。
ふと、あたしの頭で何かがよぎった。