ひとつの輝き
「おーい。どした?」
ハッと意識が戻ると先輩は、あたしの前にしゃがみ込んでいた。
「あっ…」
先輩は「気になる?」と首を傾げた。
「えっ?」
「飛んでる噂」
「あー…もう慣れてるから」
「慣れてるって、すげーな。まぁ言わせたい奴には言わせとけよ!もし気になるんだったら俺が止めてやっけど?」
先輩はあたしに目を向けて、もう一度ブランコに座った。
「いや…大丈夫です」
「そう…なんとなく気になってた」
「そうですか…」
そう呟くしかなかった。
いっつも強がってたけど、誰かにそう言われると自分の弱い一部が表にでてきて…
それが、なんとなく涙に変わりそうだった。
そんな事、言われたのが初めてで正直うれしかった。