ひとつの輝き
薄暗くなってきて、先輩は立ち上がった。
「送る。家どこ?」
そう聞かれた、あたしはパッとマンションに目を向けた。
「もう家なんで、いいです」
「は?家ってマンションしかねーじゃん」
先輩は辺りを見渡した。
「はい。そのマンションがあたしの家なんです」
「はっ?」
先輩は声をあげて目を見開いた。
そして、ゆっくり先輩の目はマンションにうつった。
上を見上げて「でけっ」と叫び、一度目線を下げて「あー…」と声を漏らした。
「だから、ここの公園によく居るんだ」
「はい」
「なるほどねぇ…」