ひとつの輝き
頭を軽く抑え立ち尽くすあたしを見て里佳さんは「わたるー」と声をだした。
「あ?」
「美央ちゃん帰らしたほうがいいんじゃない?」
下を向く、あたしの視界に渉先輩の足が見えた。
「どした?つーか美央、朝から元気ねーな」
「って、あんな色々、言われてっと元気もなくなるでしょーよ」
里佳さんが言った後に渉先輩は「そっか…俺のせい」と呟いた。
別に先輩のせいでも何でもない。
噂だって慣れてるし…
だけど今日だけは気分が優れないだけ。
ただそれだけの事。